cloud×cloud【完】
途端に桜ちゃんは、にこっと笑った。
「平助は幸せだったんだね」
いきなりの笑顔に僕は少し戸惑ったのだけど、そういうワケかと納得。
悲しんで、ただ独り淋しく死んだわけじゃない、それを見つけることができて嬉しかったのだろう。
「そりゃそうでしょ。だって僕たちと…新撰組と過ごしたんだよ?」
あまり裕福な生活なんてできなかったけど、
いや、ド貧乏で複雑な暮らしだったけど、そんなこと気にならないくらいに毎日が楽しかったのだから。
正直、試衞館の時の暮らしは本当に辛かった。
だけど、それを一緒に乗り越えてきたんだ。
敵になったって、切れない絆が僕たちにはあるんだ。
そんな僕たちと共に過ごせたんだから、
不幸だった、なんて言わせないから。
「だから平助は幸せだったに決まってるんだ」