四年間の片思い


一宮高校到着。


「まだいないのかなぁ。」



自転車置き場で親友の沙稀と待ち合わせすることになっている。


待ち合わせの時間よりちょっとあるから、私は周りを歩きまわることにした。


桜の綺麗な下で男の子がベンチに座りながら寝ていた。

「先輩かもしれない。」と思い、私は見るのをやめて、桜を見ながら、沙稀のくるのをまっていた。



ピチャピチャ。昨日は雨が降っていて、今日も降ると言われていたのに……晴れていた。入学式に雨じゃなくてよかった。と思いながら空を見ていると、


「きゃっ。いった~。」


水たまりに滑って転んだ。


「大丈夫?」




声のするほうへ顔をあげた。




カッコイイ人が私に話をかけていた。




「おーい。」






私は頭の中が真っ白になるぐらい彼を見ていた。声にやっと気付いて、



「あ、はい。だ・だ・だいじょうぶです。」



「本当に?」


彼は、手を出してくれた。


私は?だった。なんでこの人は手を出しているんでろう。




彼は私の手を掴んで起こしてくれた。


やっと意味がわかった。


「優しい人だなぁ」




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