Black Queen【1】



「…。」


俺が無言のまま睨み付けても、一膳は少しもこっちを見ない。


「なぁ?覚えてるか…?」


一膳が何も喋ろうとしないから、こっちから喋りかけることにした。



「…。」


一膳はそれでも黙りこくっていた。


「俺達が出会ったこと」


「…。」



そうあれはまだ俺達が闇龍に入ってない頃…


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俺はこの時加那とつるみだして、まだ間もない時だった。



「おらぁあぁあぁ」


突然前から一人の男が加那に殴りかかってきた。


そうこの男が一膳だった。


そして、余裕で加那はそれを避けて殴りかえした。


バキ



一膳は、そのまま倒れていった。



「あーあっ、お前手加減してないだろ?こりゃ、気失ってんぞ」



「あ?知らねぇよ、行くぞ奏」


「ちょ、待てよ!!」




そして…その次の日



「うらああぁぁあ」


又一膳が加那に殴りかかってきた。



加那は当たり前にそれを避けて今度は回し蹴りをくらわした。


そして、昨日のように又気を失って倒れた。



「又こいつかよ?」



「うぜぇ…」



加那はそう吐き出してスタスタと歩きだした。



「…」



俺はその時無言のまま倒れてる一膳を数秒間見て、加那が行った方向に走り出した。



そして又次の日も一膳は来た。


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