Black Queen【1】
第4章
謎謎
「兄貴!?」
無我夢中で走った場所は病院。
息を切らしながら大声で叫んだ。
目の前の椅子にかすかな明かりが寿二の顔を照らした。
「姉貴…」
電話の時と一緒のように消え入りそうな弱々しい声で私を呼ぶ。
「お母さんは?」
「きてねぇよ」
「そうか…鉄二は?」
次の言葉を聞いて私は頭が真っ白になる。
「やべぇ…」
「…っ…」
いけない。
ここは姉として、しっかりしないと…。
でも足の震えは止まらなかった。
ギュッと誰かが私の手を包んだ。
暖かさがジワジワと私の体に流れてくる。
落ち着く…。
足の震えがおさまって、手を包んでくれてる相手を見た。