Black Queen【1】
-------------------------
-------------------
-------------------------
「お!加那!奏!お見舞いさんきゅ~な!」
「鉄二…お前の回復力には本当驚かされるわ」
鉄二が入院してから三日目。
今日は無事退院した奏と一緒にお見舞いに来ている。
手術をするほどの怪我だったのに今はピンピンしている鉄二に呆れた。
「お前を心配して損した」
「え!?ちょ、そりゃないっしょ!?」
「だいたいお前が死ぬわけねぇもんな…。この不死身野郎」
横で奏が肩を震わせて「確かに」と笑っていた。
「…奏まで…」
「いや、だって鉄二さん…昔トンカチが頭の上に落ちてきたのに病院に行ったら何もなかったじゃないすっか!あれは笑いましたね」
「あー…そんな事もあったな…。あれはビビった、上からトンカチが突然落ちてきて頭に直撃!俺もさすがに終わったと思った!」
「ぶっはははは」
「んで、頭触ってみると、なんかへこんでるんだよ!?急いで病院に行ったら『もとからです』って言われて…ある意味俺も俺自身を怖くなったぜ!!」
「ぶははははは!いや~何回聞いてもその話笑いますね!!」
「鉄二伝説と言ってくれ」
胸をはって鉄二はそう言った。
「あー…はいはい。」
私は何回も鉄二にその話を聞かされたから呆れてそう言った。
「加那は笑わないよな?」
「いや、もう何百回もその話聞いたから」
「そんなに話たっけ?」
「うん」
「…そうだったけな~…」
「そんな話はどうでもよくて」
「へ?」
鉄二が変な声をだした。
たく…。
本当にしっかりしてほしいよ…。