Black Queen【1】
私がそう言うとニヤッと笑って私の目の前まで近付いて止まった。
「そういやぁー…」
そこで一旦言葉をとめて
「お兄さん元気?」
ニヤニヤ笑いながら続けた。
やっぱりこいつが鉄二を殺った奴か…
「あぁ」
「なーんだ、つまんな。もっと傷みつければよかった」
赤髪野郎の言葉に耳がピクッと反応した。
「…。」
「ねぇ?お兄さんをどんなふうに殺ったか教えてあげようか?」
「…。」
「さすが君のお兄さんだよね?バットで後ろから殴っても倒れないんだから。」
私が黙っていても話を続けるみたいだ。
「…。」
「血だらけで追いかけて来た時はさすがの俺でもビビったね。まぁ…次見た時は目の前で意識失って倒れてたけど」
「…どういう意味だ?」
「あ~俺ね?キレたら可笑しくなるの?なんつーか…まぁ、君もあるでしょ?そーゆう時?」
「…私はまだない」
「へぇ、そりぁすごいや」
赤髪野郎は馬鹿にしたように拍手をする。
「ま、可笑しくなった俺はめちゃくちゃしてしまうからね。お兄さん死んでないか心配したよ。」
心配なんか絶対
こんな奴がするわけない。
「そりゃどうも。今はピンピンしてるよ」
「…ふーん。残念」
「…。」