Black Queen【1】
浜松が立とうとすると、魔狂の中の一人が肩を貸した。
「仁さん…俺卑怯なマネしてすみませんでした…」
浜松に肩を貸したのは恭賀を刃物で刺そうとした奴だった。
「俺どうしても勝ちたかったんです…。」
「…」
浜松は黙って話を聞いた。
「穐田に負けると思った瞬間…いつの間にか刃物を持って…」
「…」
「本当にすみませんでした!責任をとって魔狂を辞めます!」
男は浜松に向かって頭を下げる。
「…」
「…」
二人の間に沈黙が走る。
沈黙を破ったのは浜松だった。