キミノカケラ
「絶対赤チェックが似合う」
気付くと、奈々は私をじーっと見つめてた。
「…………と、思う」
「そこまで言うんなら直しちゃおっか!」
デザイン案のベストを消しゴムで消し、新しくチェックを描き直していく。
シャーペンが止まらない。
スラスラ描いてくんだなぁ。
「結城ちゃんさ」
「うん?」
「……本当に、今でも好きじゃないの?」
「…………」
「誰のこと好きなの?」
「「え?」」
明らかに私達じゃない声。