私の好きな人-ハツコイ-
何分経ったんだろう…。

時間で言えば10分かな?

私にとってその10分は長く感じた。

(まだかなー。)

携帯の時間を見ながら、
職員室の方を見る。

すると、職員室から宮田君が出てきた。

「あっ…。」

声を漏らした私を前に、
宮田君は駆け足で向かってきた。

「藤崎ありがと!!」

宮田君がプリントを渡す。

緊張しながらもプリントを貰う私。

(何か喋らないと…。)

でも話す話題が見つからない。

「藤崎、今から帰んの?」

宮田君から話してくれた
おかげで話題ができた。

戸惑いながらも返事をする。

「うん。そーだよ。」

声が震えながらも
何とか話しをする事ができた。

「途中まで一緒に行かない?っても俺、部活中だから玄関までだけど。」

(う…嘘。本当?)

「いいよ!!」

即答で言ってしまった。

しかも声大きいし。

(あー失敗した。)

ショックな気持ち半分。

嬉しい気持ち半分。

その二つが混ざった気持
ちで、宮田君と玄関まで向かう。

階段を下りる時、私と
宮田君の影が並んだ。

宮田君の影は私より大きい。

それに気づいて、
やっぱり男の子だな。

って実感した。

影は近いのに、
距離は近いのに、

宮田君の心は遠い…。
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