私の好きな人-ハツコイ-
(うう…聞こえた。聞こえた。絶対ばれた…。)

補習も終わり帰りの
支度を始めながら心の中で呟く。

夏美なんて、さっきの
事なんか気にしてないらしく、さっさと帰る準備をしている。

(本当最悪。)

気づかないよう、わざと夏美を睨む。

「優ー。」

「どうしたの?」
急に呼ばれたから私の声は強張った。

「さっき言うの忘れてた
けど、優が宮田の事好き
なのクラス全員知ってるよ。」

予想外の言葉に教科書を
鞄に入れる手が止まった。

「い、今何て言ったの?」
声が震えながらも確認するように聞き返す。

「だから、優が宮田の事
好きなのクラス全員知っ
てるって事!!」

「え!???う…嘘でしょ!!?」

「嘘なわけないじゃん。」
溜め息混じりに話し出す夏美。

「あんだけ見てたらわかるっての。」

(私そんなに見てるの?)
顔を両手で押さえながら考える…。

「まっ、気づいてないのは宮田だけだろうけどね。」

その言葉に少し安心を覚えた。
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