私の好きな人-ﾊﾂｺｲ-
｢だ…だからって数学の
時言うのは…｣

｢反則でしょ？って言いたいの？｣

｢…その通り。｣

本当何で私って顔に出やすいんだろ。
いつも、いつもばれちゃう。
教室の電気を消しながら話しを続ける。
補習は昼までだし、グランドの方からは野球部の声かけが聞こえて来る。

サッカー部の声も…。

｢前から思ってたんだけどさー。｣

教室のドアを開けながら夏美が話し出す。
私も後について教室を出ていく。

｢んー、何？｣

｢あんた言ったら怒らない？｣

いつもサバサバしてる
夏美が今日は私の顔を
伺うように言い出した。

｢怒んないよ。｣

｢なら、言うよ。｣

言葉を選ぶように夏美が言い出した。

｢宮田のどこがいいの？｣

｢…はあ!??｣

教室の前で私は大声を出した。
そんで鞄も落とした。

｢あー怒っちゃった。｣

バツの悪そうな顔で夏美が見る。

｢怒ってないって!!｣

｢じゃあ、どこがいいの？宮田の。｣

返された言葉にビクッとした。

｢どこって…そりゃ｣
(ん…待てよ、夏美ももしかして宮田君の事…)
思ってもない夏美の言葉に、そんな不安が頭をよぎった。

不安で不安で夏美を見る。

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