私の好きな人-ハツコイ-
「で、何でいるの?」

問いただすように夏美が話す。

「あー俺?夏休みのプリントなくしてさー。んで、先生にコピーしてもらおうと職員室行ったら、補習してるって言われて来たわけ。」

長々と説明をし出す宮田君。

「あ、倉田プリント持ってない?あったらコピーさせて!!」

頼む!!
と、手を合わせて夏美に頼んでいる宮田君。

夏美は…

嫌がってる。

(プリントぐらいコピーさせてあげてもいいじゃん。夏美のケチ。)

ムスッとした顔つきで、
私は下を向いた。

鞄をギュッと握る。

別に妬いてるわけじゃない。

羨ましかっただけ。

「今持ってないから優に貸してもらって。」

「まじ!?藤崎、貸してもらっていい?」

「…」
(え?今何て…)

思ってもない展開に
ついていけない私。

宮田君は

「ダメかな?」

と私の前で頼んで来る。
宮田君の顔が近い。

近い…。

(ちっ、近い!!!!)

「えっ、いいけど…。」

顔を逸らしながら、
おどおどと返事を返す。

「じゃ、プリント貸してもらっていい?」

「いいよ…。」

鞄の中からプリントを出す。

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