ー紫神(シガミ)ー
 
 「『親愛なる艶へ。

俺は、君を悲しませた。だから言い訳はしません。だけど、謝らせてください。ごめんなさい。もし、見たくなかったら仕方ないけど、俺のボスが君に手紙を書いてるんだ。見てほしいな。

 九条 梓(クジョウ アズサ)より』ですって。お友達?」


 梓…

 名前を思い出し、胸が痛む。

 梓のボスとは、あの悪夢の彼だろう。


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