ー紫神(シガミ)ー

 「【野黒 艶。

僕は仕事を放棄したりはしない。
君の一番の願いは叶えられないが、二番目の願いなら叶えた。
それは、今の君の状況だ。君はそれを望んだ。二番目にね。
最後に君に同情はしないと言ったんだけど、聞こえていた?
その言葉通り、同情は微塵もしない。断じて。
だが、依頼通り、君のこの後を変えた。
傷は消さないで。それは君が勝ち取った『今』の証だから。
僕の言葉の意味がわかる?
わかるなら、新たな道を。
君は一度死んだ。
そして生まれ変わり、生き返ったんだ。

 どうか、そのこと、その事実、
忘れないで。


 茶神(サガミ)。】
キザね〜」


 ナースは頬に手を当てた。




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