ー紫神(シガミ)ー

 少年がナイフを振り上げる度、悲鳴を上げているのは後ろに控える女だった。

 銀髪の少年がナイフを振り上げる度、白髪の青年が痛みと叫びを飲み込む。

 そして、女が叫ぶのだ。

 止めてくださいと。


 
< 117 / 203 >

この作品をシェア

pagetop