ー紫神(シガミ)ー

 ずっと、悲鳴を上げていた司。

 「きゃーーー!」と叫んでいたのに。

 茶神の行動で、枯れていた喉から、言葉が発せられた。

 それは、悲鳴ではない。

 くぐもった音。

 声など、発せ無いことを、茶神は知っている。

 
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