ー紫神(シガミ)ー

 「傷をつけるのは、体ではなく、心。
壊すのは体ではなく、心。
では、どうやって?
そこで僕は思いついた」

 悪戯と言う茶神は司の前を歩き回った。

 「悪の立場に居る僕が、壊れてみてはどうか」

 満面の笑みでとんでもないことを発せる茶神は、きっと既に壊れているのだろう。

 壊れている道化師は、恐ろしい主人を見つめた。


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