ー紫神(シガミ)ー

 「悪を演じて、壊れてしまった僕。
悪を演じても所詮は幼い子ども。彼を蝕む心の闇の深さ」

 クルリと一回転し、茶神はステップを踏む。

 「絶望の中、叫ぶ僕はどこか完成された美しさがあった。それを羨ましいと思ってしまう。何故でしょう?」

 突然の質問に道化師が答えないでいると、茶神は笑った。

 初めから答えは期待していなかった。


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