ー紫神(シガミ)ー

 「これじゃぁ、まるで、使い捨てだよ?」

 「だから?代わりは居るのだから、仕方がないよ。」

 ガシリと腕を掴み返し、茶神は微笑んだ。
 
 「何?九条 梓(クジョウ アズサ)君。僕、何か

 悪 い こ と し た かな?」

 吸い込まれるような金の瞳で見つめられ、道化師は目を見開いた。

 襲うのは、後悔ばかり。

 溢れるのは、恐怖ばかり。

 ただ、ただ、ひたすらに。

 この瞬間。

 この場所。

 この人、怖くて、逃げ出したくなった。


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