true melo♪y
Bounus tracks




冬の寒さ真っ只中の如月の月





風が強く、余りの寒さに俺はマフラーに顔を埋めた。




そんな中、身体じゅうは寒いのに右手は暖かった。




なぜなら、俺の大切な結菜がいるから





「ねぇ、雪
まだ、着かないの?」





その結菜は、俺の顔を見上げながらそう言った。




寒いのだろう、頬が少し赤く染まっていたんだけど




それでも、それが可愛くみえた。





「えっ〜と、もうちょいなんだよね」





俺は前の看板を見て、そう答えた。




「てか、付き合わせて悪いんな
こんなに、寒いのにさ
前からの約束だったんだよね」





そう言い終わると、俺は乾いた空を見上げた。





「別にいいよ、雪の大切な人との約束なんでしょ
なら、私は付き合うよ」





結菜は笑顔でそう言うと、俺より先をちょこんちょこんと歩いて行った。





「ちょっと、場所分かんないじゃないの?」





俺は結菜のあとを急いで追った。





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