デレデレ彼氏
私は紙袋片手に
成織が撮影しているスタジオに向かった
スタジオに入るのは
初めてじゃない
小さい頃は成織と一緒に行ってた
けど、10歳を過ぎた頃
成織が「来なくていい」
と言ってから行かなくなった
今でも覚えてる
明るいスタジオの中
綺麗なモデルさん
いっぱいの人
いっぱいのカメラ
それはキラキラ輝いてて
憧れの世界
スタジオに着くと成織がいた
「…成…」
声を掛けようとしたのに…
成織の周りには綺麗なモデルさんでいっぱい
私が、オロオロしてると
成織の方が見つけてくれた
「ありがと。」
今は家の外なので、猫っかぶりのアイドルぶってる!
「ナオト君、入って」
カメラマンさんの声で
成織は私から離れていった
時々思うんだ…
私と成織は住む世界が違うんだって
成織は光の世界の人なんだって…思うんだ…