思い出はあなたの中に
そう言ってオレはヒトミの手を引き、赤く艶やかなその唇にそっと口づけた。

ヒトミは驚いたように体をビクつかせたが、嫌な素振りは見せなかった。

それに調子に乗ったオレは、さらに深く口づけをした。

ヒトミがオレの袖を強く握るのを感じながら、オレはヒトミを味わった。

このまま続けるとキスだけですまなくなりそうだ。

なんとか自分に自制心を利かせヒトミから離れた。

「…長い!」

顔を真っ赤に染めたヒトミの第一声だった。

オレは思わず吹き出した。
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