思い出はあなたの中に

「ねぇアルバム見たいな」

カレーを食べ終わった後ヒトミが唐突に言った。

「アルバム?いいけど。そこの棚にあるよ。」

「中学のはないの?」

「中学?あぁうん。」

「どうして?」

「タイムカプセルに埋めたんだよ」

「そうなの?見たかったなぁ。信治くんの好きだった子」

からかい口調でヒトミは言った。

「まだ言ってんのかよ。いないって言ったろ」

オレは苦笑した。まだ気にしてたのか。

「ふーん。ほんとかなー。でも信治を好きだった子はいるでしょ?」

「いないだろ。中学時代はもてなかったし。」

「……そう。」
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