思い出はあなたの中に
「遊園地?信治くんの友達と?」

「そう。嫌ならいいんだけど。」

その日の夜、俺は電話でヒトミに連絡をとった。

「ううん。全然嫌じゃないんだけど…」

「けど?何?」

「それって女の子?」

「男と女一人ずつだよ。男はさ、前にも話した、マコトってやつ。女は、ナギサっていうやつなんだけど。」

「その二人付き合ってるの?」

「まさか。ただの友達だよ。」

「そう…ナギサ、ちゃん…」

何だ?何を気にしているのだろう。

「どうした?ヒトミ?」

「そのナギサちゃんって信治くんのこと好きだったりしない?」

そう言えば、同窓会の時もこんな事を気にしていたな。

案外ヒトミは束縛するタイプなのか。

それでも遠慮がちに言葉を発するヒトミをオレは素直に可愛らしく思った。

「そんなわけねぇだろ。中学からの友達なんだよ。ヒトミに会わせろってうるさくてさ。」

「そうなんだ。うん。いいよ。遊園地楽しそう!」

「まじ?良かった。じゃあ日程決まったらまた連絡するよ。」

「ねえ、信治くん。ナギサちゃんってどんな子?」
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