思い出はあなたの中に
それは中学2年生の春のことだった。

クラス替えをしたばかりの教室。

見たこともない奴がたくさんいた。

その時、目の前を歩いていた女子生徒が何か落とした。

「おい。コレ落とした…」

オレは思わずそいつの肩を掴んだ。

振り向いたその顔は

驚くほど長い前髪に、分厚い眼鏡。

そして小さな声でありがとうと言った。
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