思い出はあなたの中に
しかしその後、何とキサラギが登校した。

俺たちは安心した。

いつも通りの長い前髪に分厚い眼鏡。

崖から落ちたのは俺たちの見間違いだったのかもしれない。

そう思えるほどキサラギはいつもとなんら変わりはなかった。

あの瞳も変わらないのだろうか。

無邪気な瞳をもう一度見たいという好奇心を抑えきれずこっそりとオレはキサラギの顔を覗き込んだ。

その瞳は


獲物をいるような鋭い眼だった。
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