思い出はあなたの中に
ヒトミは何度もナイフを振りおろした。

そのたびにヒトミは帰り血を浴びた。

もうしゃべらない肉の塊になった父親に何度も何度もナイフを突き刺した。

「やめろ!」

オレはヒトミを止めに入った。

「もう死んでる。」

か細いヒトミの体を抱きしめる。肩で息をしながらヒトミは床にへたり込んだ。

「ヒトミ…いやキサラギ、アイ…?」
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