LOVE×LOVE×LOVE
♂黎Side♂
俺は相澤 黎《アイザワ レイ》。
綾華女学院と黒蘭高校が合併した黒華《クガ》学院の1年。
そこで、一色で描かれていた俺の世界が突如、多彩な色で埋め尽くされた。
彼女の目と俺の目があった瞬間に。
時はさかのぼること、2時間ほど前。
今日から高校生の俺は、入学式に出席するために、いつもより時間をかけて準備した。
ダチの五十嵐 愁真《イガラシ シュウマ》に「お前は女子か!」と突っ込まれたのは記憶に新しい。
もちろん、そんなことを口走った愁真には制裁を加えておいたが。
『てか、ここどこだ?』
あまりに広い敷地に、今、俺の頭の中には?マークが浮かんでいる。
入学式が行われる体育館らしき建物は見当たらない。
と言うか、たくさんありすぎてわからない。
『あ゛ー、くそ…。迷子かよ!』