LOVE×LOVE×LOVE
呆れかえってそう呟いた時、前方に女子生徒の姿を捉えた。
ちょうどいい。
彼女に案内してもらおう。
そう思って、俺は彼女に近付いた。
『ちょっといいですか?』
俺がそう声を掛けると、彼女は一瞬ビクッと震え、恐る恐るこちらを振り向いた。
その瞬間、時が止まったかのような錯覚に捕らわれた俺は、完全に固まってしまった。
そんな俺を不審に思ったらしい。
「あの、何か?」
目の前の彼女は間を置きながらも、話しかけてきた。
そのことで、やっと体の自由を取り戻した俺は、本来の目的に戻る。
目の前の彼女にいきさつを話して。
『ってことなんですけど、体育館まで案内してもらえませんか?』