笑顔のしるし~SMILE☆STAR~
「虹…姫…。」

「え…。」


い、今の…寝言…だよ…ね??
って、あたしの…名前…。

パニックになるあたしを他所に、汰一は気持ち良さそうに眠り続けていた。


「起きてない…。」


そうだよね…汰一も疲れてるんだよね…。

夏からの新ドラマの主演にも選ばれたみたいだし、モデルの仕事、それにSTARとしての仕事。

ちゃんと寝てるのかすら分からない。


留年だってできない状況だから、勉強だってしなきゃだもんね。


「お疲れ様…。」


そう呟いて、汰一の髪をそっと撫でる。


あたしたち学生にとって体育祭は疲れる一大イベントの日。

だけど、汰一みたいな立場の人にとっては休みの日なんだ。
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