笑顔のしるし~SMILE☆STAR~
「…俺の走り、ちゃんと見とけよ。」


と言ってあたしの頭をポンッと撫でる汰一。


「…う、ん…。」


あ、汰一の匂い。


「汰一…香水とか付けてる??」

「一切なし。」


いい匂いだ…。
あたし、この匂い大好き。

…あれ??


胸いっぱいに汰一の匂いを吸い込んだ瞬間、あることに気付く。


「お前、そのまま寝るなよ。」

「寝ないもんっ。」

「俺は構わねぇけど。 …その代わり喰っちまうけどな。」

「ひっ!!」


急いで汰一の上から退くと、汰一は意地悪く小さく笑った。


…あたし、汰一と…どこかで…??

あたしはそんな考えの渦に飲まれかけていた。
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