笑顔のしるし~SMILE☆STAR~
車を降りようとすると、芳さんは怪しく笑った。


「じゃあ…バラしていいんだね??」


そう言う芳さんが手に持つのは、あの写真だ。


「っ…!!」


逃げ場が…。


「…うん、いい子。」


動きを止めたあたしを見て、芳さんは満足気に微笑んだ。

涙が出そうだった。


ここまで来てしまったら…もう、何をされるか分からない。


「こっちこっち、コウくん。」


芳さんに導かれるままに、マンションの最上階まで来てしまった。


「最上階…。」

「そう。 入って。」

「お邪魔します…。」


芳さんの家の中は、微かにしか生活感を感じさせない殺風景なものだった。
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