笑顔のしるし~SMILE☆STAR~
「必要最低限しかない…。」


ベッドにテレビにローテーブル、本棚くらいしかない…。


「俺の親ってね、2人とも医者なんだ。」

「へぇ…。」

「だから、金に物言わせて、俺は何不自由なく暮らしてきたんだ。」

「そうなんだ…。」

「この家もそうだけどね。」

「へぇ…。」


駆け出しのわりにはいい車に乗ってると思ったんだ…。

まぁ、あたしは言える立場じゃないんだけど…。


「でもね、足りないものがあったんだよ。」

「??」

「愛だよ、愛。」

「愛…??」

「親に愛を与えられたことなんてなかった。」

「…芳さん…。」
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