笑顔のしるし~SMILE☆STAR~
車に乗るとすぐに汰一が言った。


「何もされてねぇか?」


って、いつかの誘拐事件のときみたいに。


「うん、大丈夫。」

「…本当は薄々気付いてた。 お前と芳が会ってるのは。」

「…言ってよ。」

「浮気してんのかもしれねぇ奴に、そんなこと言えるかよ。」

「あたしなら言うもん。」

「俺は弱いんだよ。 …お前が離れていくのが怖かった。」

「……ぅええ?!」


汰一でも…そんなこと思うんだぁ。
って、汰一そっぽ向いてるし…。


「芳の香水の匂いするし。 自分の部屋で寝るし。 分かりやすすぎんだよお前は。」

「…うん。」
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