たった一人の親友へ〜another story〜
その日


俺はその疑惑を頭から取り払って


普通にゆいと接するよう心掛けてた




帰りは俺の家に寄って


二人でゲームをして


そういう雰囲気になったから、キスをして




でもさ


彼女の体に触れるたび


男友達の顔がちらついて


彼女の声を聞くたび


虚しくなって


体のちょっとした傷を見るたびに


友達に対していらついて


どうして?だとか


なんかもー、訳分かんなくなって


気づいたら手も止まってた



「どーしたの?」


心配そうな声を出すゆい


「いや…
疲れてるのかも。
今日はやめよ」


なるべく自然に笑顔を作ったつもり




まだ証拠はないんだ


大丈夫


ゆいはそんなことしないよな


そうやって自分で自分を言いくるめて


無理矢理納得させようとした

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