たった一人の親友へ〜another story〜
騙し騙しゆいとの関係を続けてきたこの数週間


でも現実はすぐそこまで迫っていて


俺はある日突然真実を突き付けられた




「俺お前の彼女とやったよ」


ずっと仲の良い友達だと思ってた部活のチームメイトの一人だった


俺の予想通りあの日ゆいと一緒にいたやつで


やっぱり悪夢は現実となった




この日は部活の先輩の家でちょっとした飲み会があって


友達は調子に乗りすぎて酒を飲みまくっていた


多分ほんの冗談だったのかもしれない


酒のせいもある


でもさ


あんまりだよ


酔いは一気にさめて


気づいたらそいつをおもいっきり殴ってた




「だってお前の彼女も乗り気だったから」




苦し紛れに言い訳をする友達にさらに苛立って


周りのみんなの止める手を振り払ってまで


そいつをぶん殴りたくて




なぁゆい


なんでだよ


なんで俺じゃなくてこいつなんだよ




泣きたかった


今すぐ声を出して泣きたかった


許されるならば


神様


時間を戻してください



そんな無意味で滑稽な願いを


俺は祈りつづけた

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