たった一人の親友へ〜another story〜
次の日もその次の日も


俺は何もゆいに切り出せずにいた


怖かったんだ


現実を見てしまうことが


どうしようもなく怖かった





「翔最近どうしたの?
元気ないじゃん」


「そう?」


「だってゆいばっかり喋ってるもん」




なぁゆい


何で俺とこうして普通にいられるわけ?


あいつのこと好きなんじゃないの?


俺のこと嫌いになった?




どれから言葉にしていいのか分からなくて


ただただ虚しさだけが心に広がった




「ねー?今日翔の家泊まってもいい?」


「あー。うん」




ゆいの身体に触れる自信もないのにな


でもさ


どうしても俺には確かめたいことがあったんだ


ゆいの本心を




知るために
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