たった一人の親友へ〜another story〜
ゆいとの出会いはほんのささいな出来事で


たった一言彼女の発した言葉が


俺の胸に焼きついた


最初はさなを忘れるために


さなから離れるために作った彼女で


でもさ


いつのまにか本当にゆいが好きになってた


一番目とか二番目とかじゃなくて


ちゃんと自分の中でゆいは“俺の彼女”に位置づけられてた




さなのことを想わない日はない


でも同じように


ゆいのことを想わない日もなかった


俺の中で二人は別だったんだ


二人とも心の底から大事だけど


それは“彼女”と“友達”の違いで


どっちの方が大切だとか、そんなもの俺の中にはもうなかった




どちらかを失くしたら


やっぱり何もかも上手くいかなくて


でもさ


“浮気”だけは許せなかったんだ


不安にさせたかもしれない


たくさん泣かせたかもしれない


だから


俺じゃなくて友達を選んだの?


女々しい男だって笑ってもいいよ


だからさ


また君の笑顔を俺のものだけにしたいんだ


どんなに落ち込んでても心の底から温かくなる


大好きなあの笑顔を

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