たった一人の親友へ〜another story〜
「何でここにいんの」


喉が乾ききってからからだった


「ごめんね、翔。
あたしどうしても翔と話したくて。」




あの日


ゆいと別れたあの日


俺は決心したのに


二度とゆいとは関わらないって


なのに


こんな一瞬でくずされるなんて


自分の愚かさに何だか笑えた




今目の前にいるゆいを


めちゃくちゃに抱きしめたい


本当はずっと好きだったって


抱きしめたかった




「話すことなんてないよ」


心とは裏腹の言葉たち




そんな俺の言葉を聞いてゆいは


目頭に涙をためて


少し息を吸い込んだ



「翔の馬鹿!!!」


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