たった一人の親友へ〜another story〜
翔の馬鹿?


ん?


俺が?


全くもって意味が分からない


「は?
元はと言えばお前があんなことするから」




言って後悔した


今更こんなこと言っても何にもならないのに


俺って小せーって思いながらも


止められなかった


「うん。
分かってる。
でもあたし不安だったんだよ。
翔モテるし、最初の頃より遠くに感じられて。
あたしばっか翔のことで好きで。
怖かったんだもん」




そんなこと言うなら


俺だって怖かったよ


ゆいは


いつも一番傍にいるようで


届かない


つかめない


俺のものにならない




そんな君を見てると


弱い俺は自信をなくすばかりで




だからかな


向き合う勇気がなかった


どこかでいつも君から逃げてたんだ




何も言わない俺に


痺れを切らしたのか


ゆいは俺の方にゆっくりと視線を合わせた
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