たった一人の親友へ〜another story〜
その視線に負けてしまいそうになった俺は


すぐに彼女から目をそらしてしまった


そんな俺を悲しそうに見つめるゆい


「だから馬鹿って言ったのよ」




長い沈黙を破る一言だった


「本当小さいよ、翔。
浮気の一つくらい許しなさいよ!
あたし翔のせいであんなことしちゃったんだよ?
責任とってよ、馬鹿」






初めて俺達が出会った時


ゆい言ったよね?


俺のことなんて興味ないって


いつからだろう


あの時みたいにゆいが俺に本音を言わなくなったのは


いつからだろう


ゆいが俺に気を使い始めたのは



なぁゆい


俺が全部悪いんだよな


だって俺は


強がりで


なのに本当は弱虫で


寂しがりやで


俺のことを笑顔で好きって言ってくれる


そんなゆいを


好きになったんだから


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