たった一人の親友へ〜another story〜
あんな強気な発言をしてたと思えば


すぐに溢れてくる涙


そんなコロコロと変わるゆいの表情を見ると


何だか無性に愛しくなった


「翔。」


「ん?」


「しょー…
好きだよぉ。
好きなのぉ。」






その時さ


初めて


初めてゆいのことを許そうと思った


許そうと思えた


確かに浮気はだめなことだけど


だけどそんなことより大事なことはたくさんあるから





そっとゆいを抱きしめると


彼女は


“ごめんね”と言い続けながら


俺にしがみついて泣いていた




守りたい


守ってあげたい


初めて自分の力で誰かを幸せにしたいと思った




なぁゆい


俺さ、きっとお前を幸せにするから


だからずっと


ただ俺の傍にいてほしい


そう強く願ったんだ
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