たった一人の親友へ〜another story〜
「またお前かよ」


さなの頭を小さく小突くと


さなはこっちをきっと睨んだ


和歌子がなぁに〜?って面白そうに茶化してるのを


さなは別に、と軽く言い放ち


俺の方へと視線を向けた


ドキッ


心臓が跳びはねる


この気持ちは何?


ドキドキを隠すように、俺はまたさなに冗談を言う


「別にって〜(笑)?」


「やめてよ、バカ!」


そんな言い合いが


こんなくだらない言い合いが


嬉しくて仕方がなかった


その日はさなから目が離せなかった


なぜだか分からないけれど


その日から俺の中心には


いつもさながいたんだ
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