たった一人の親友へ〜another story〜
あの日を境に


俺とさなは今まであった微妙なわだかまりを感じさせることもなく


友達として十分うまくやっていた




“ゆいとやり直したよ”


そうさなに告げると


本当に心の底から温かな笑顔で俺を祝福してくれて


きっとさなにも区切りがついたんだと


少し寂しいような嬉しいような複雑な気持ちで


“ありがとう”と一言告げた




前よりも、穏やかな気持ちで相手に接することができるようになった俺達は


以前よりもずっと親友らしいのかもしれない


親友という肩書に押しつぶされそうになっていた自分を、ようやく解放することができた俺は


さなの前でも


ゆいの前でも


自分らしくありのままでいられるようになった









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