たった一人の親友へ〜another story〜
母親の手をそっと握った


小さい痩せ細った腕だった




なぁ、母さん


母さんは俺をどんな気持ちで生んだ?


全部


自分の持ってるもん全部捨てて


そこまでして俺は生まれてくる意味があったのかな?


小さい頃からずっと


母さんを幸せにしたかった


照れくさくて言葉になんかしたことないけど


だけど


いつかいい仕事について


母さんのために立派な豪邸をたてることが


俺の“夢”だった


母さんを楽にしてあげたかったんだ




もう解放してあげるから


俺という存在から


だから母さんお願いだよ


目を覚ましてくれ


俺を置いていかないで


お願いだよ


母さん






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