たった一人の親友へ〜another story〜
最後の方は


母の涙でインクが滲んでいた


涙がとまらない


こんなに泣くのは何年振りだろう


もはや止める気さえも起こらなかった




手紙を読んで


今まで目を背けていた事実に


俺は直面したんだ


母さんをあそこまで追い込んだのは


ほかでもない俺自身で


俺は知らない間にたくさん母親を傷つけた


どうして俺ばっかりこんな目に、とか


俺は不幸だ、とか


独りよがりな考えばっかしてた俺は


なんて浅はかで


愚かだったんだろう




謝るのは母さんじゃなくて俺の方だ


ごめん


母さん・・・
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