たった一人の親友へ〜another story〜
待ち合わせ場所には


あのいつものさなの笑顔があった


「翔!」


小さな背を一生懸命延ばして


手をふる


「さな!」






その日は二人でゲーセンに行って


食べ放題で腹がはちきれるほど食って


すんげーどーでもいいことで笑って


カラオケでアニソン連発して




楽しかったんだ


心から笑えて


本当に幸せだって


実感できた




プリクラをとった時に書いた


「翔とさなは一生一緒(笑)」


あれは俺の本心だよ


いつまでも傍にいてほしい


俺の隣で笑っていてほしい


ずっとずっと


俺の親友であってほしい




君の隣にはいつも俺がいて


俺の隣にはいつも君がいる


こんなにも簡単なことが


こんなにも難しいなんて




どうして神様は


たったこれだけのことを


許してはくれなかったんだろう


ただひっそりと君を想うことさえ


俺にとっては罪の証なのかな
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