たった一人の親友へ〜another story〜
少し強く握りしめた手を離さないように


離れないようにしながら


俺達はいつもの海へと向かった


2月の海はとてつもなく寒くて


俺達は肩を寄せ合いながら


海岸沿いに腰をおろした




「この海見ると昔を思い出すなぁ」


「ねっ」





それっきり二人とも何も話さず


ただただ目の前にある海を見ていた


俺達はいつもそうだったよな


何かが始まるとき


何かが終わるとき


いつもここに来て


本音で話して


仲直りして


こうやってこれからも俺達の関係は続いていくんだと


そう思ってた


何の根拠もなかったけど


俺にはそんな気がしていたんだ
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