たった一人の親友へ〜another story〜
「ねぇ。翔」


泣きはらしたゆいの目


きっとこの玄関で寒い中ずっと俺を待ってたんだろうな


そんなこと思うと胸が痛んだ


「何?」


「もし

これからもあたしと付き合いたいって思うなら・・・

本気でそう思うなら

一つお願いがあるの。」


「ん?」


「さなちゃんに。


さなちゃんにちゃんと気持ち伝えて?」


「えっ?

お前なに言って・・・」


「本気だよ。

そうじゃなくちゃあたし達何にも進めないじゃん。」


「でも・・・」


「翔。

あたしはさなちゃんの変わりじゃないんだよ?

ゆいはゆいなの。

本当のあたしを見てよ!!!」





ゆいの心の叫びだった


今まで何も気づかなかった俺は


なんて能天気野郎なんだろう


自分のアホさ加減に


とことん嫌気がさす


情けなさすぎて言葉も出ない


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