たった一人の親友へ〜another story〜
「俺さ、今までずっとゆいとさなは違うって思ってたんだ。
好きの意味が違うっていうか・・・
とにかく二人に対して俺なりにちゃんとけじめをつけてるつもりだった。
でもそれは・・・」


言葉につまった


本当に言っていいのかな、なんて今更ながら後悔がつのる


「それは?」


追い討ちをかけるように、ゆいがしっかりとした口調で俺に聞いた


「それは。
そう思い込もうとしてただけで・・・
実際けじめなんてつけられてなかった。

俺さ、ゆいのこと大切にしようって思ってたんだ。
本当に心の底から好きだって思ってた。
でも・・・」




「・・・・。」




「でも、どこかにいっつもさながいて・・・
ゆいのこと好きだって思うほどに、さなのことを思い出すんだ。
ゆいの笑顔を見るたびにさなの笑顔を思い出して・・・
ゆいに対してずっと罪悪感でいっぱいだった」



「・・・。
それで?」



泣き声を含んだゆいの声



「だから・・・

これ以上ゆいとは一緒にいれない。
もしさなと上手くいかなくても・・・
俺はゆいと一緒にいちゃいけいけない。」


「・・・。
何でぇ・・?」


「ごめん。
謝ったってすむことじゃないってことぐらいは分かってるんだ。
でも。
俺なりにこの数日真剣に考えた。
このままでいいのかな?って。
ゆいに甘えて一緒に居続けることはできるけど・・・
でもそんなことしちゃったら、俺たち前に進めないよな?」
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